名もないベンチャーが億単位の案件を獲るには (Re: 真のソフトウェア工学はもう存在している)

手でコードを書くプログラマと、コードにコードを書かせるメタプログラマでは、 規模が大きな仕事になるほど差が開いていくと思う。

真のソフトウェア工学はもう存在している - Hello, world! - s21g

うむ、その通りです。最近ようやく Ruby でのメタプログラミングを使った DSL の作り方・使い方が分かってきたところなんですけど、これが分かってくると「今までの自分は何をやってたんだろう」と思うことがしょっちゅうです。何というか、今までの自分は Ruby の力を全然引き出せてなかったなーと反省しきりでした。

ただまあ、実際のプロジェクトで問題になるのはお客様に原因があったりするので、技術だけで解決するような問題ばかりではないのが頭の痛いところです。

真のソフトウェア工学は、もう存在している。それは、 タワークレーンを使った高層ビル建築 に似ている。 メタプログラマーの仕事は、タワークレーンを組み立てるために小さなクレーンを動かす事だ。 それを実現するための道具はもう揃っていると思う。 それを使いこなしてる人もそれなりにいる。 では何が足りないのだろうか。

それはなんと言っても、実績が足りない。というか無い。 例えば5人のメタプログラマーの会社が、500億円の案件を50億円で受注したというような事例は皆無だと思う。 経営者は、万が一プロジェクトが失敗に終わった時に、実績が無い事に手を出した事を責められる事になる。 しかしながら、これについては成功事例が生まれれば改善する可能性があると思う。 営利企業の経営者が、これほどの節約機会を見過ごすとは思えない。

海外なら、もしかしたら実績はあるかもしれませんね。LispSmalltalkを使って大きなプロジェクトを完遂したというのはあると思います。

日本で大きな案件を獲るのは、実績もそうですが、知名度がないと難しいですね。会社の知名度あるいは個人の知名度が必要だと思いますが、まつもとさんぐらいの知名度でようやく商談で有利になれるかどうかだと思います。

ただ500億円ほどのプロジェクトであれば、そのすべての金額を1社に任せるのではなく、保険のために金額の1割を小さいベンチャー企業に任せるというのはありだと思うんですけど、どうでしょうか。どんなに大手でも失敗するときは失敗するから、無名だが優秀そうなベンチャーにも同時に案件を任せてみるというのは、リスクを回避するという観点から十分にありだと思います。

そのアプローチで売り込んでみるのはどうでしょうか? もし大手による開発が順調に進むようなら、私どもを途中で切ってくださって結構ですよ、でももし大手による開発がコケた場合を考えると、そしてその可能性が決して低くないことを考えると、ウチを使ってバックアッププランを用意しておくのは経営的にも最善の手ではないでしょうか、とかなんとか。