よい上司や先生に出会うことは難しいです

世の中には 2 種類の人間がいる。自分の頭で考えることのできる人間と、自分の頭で考えることを放棄した人間だ。

そして、自分の頭で考えることのできる人間にとって、考えることを放棄した人間が上司や先生になることは、大変たいへん不幸なことである。

彼はそこで、「システム的にこれはどういう風に動いているんですか?VB使っているっぽいですけど」といった質問ばかりをしてきた。

良い質問ではある。
将来的に開発部署へ行くことになるかもしれないことを考えれば、先々まで見越しているのだなと評するべきである。

しかしそれは先の話。
あくまで今は、今いる部署での業務内容に集中してもらいたいのだ。
処理がどういう風に回っているか、どういうシステムなのかという掘り下げたレベルの理解は、今の時点では求めていない。
我々の仕事は、開発部署が構築したシステムの下で正しく処理が動いているかを日々監視することにある。
監視する中でトラブルがあれば開発部署に問い合わせ、対応を要請する。
我々は次に動く処理を監視しなければならないので、対応はあちらに任せるのが常である。
システムの詳細まで把握しているに越したことは無いが、正直なところ、そこまで深い話は我々には求められていないのだ。
ましてそれが新人レベルならなおさら、まずはこれから任されるであろう処理の手順をしっかり覚えてほしいのだ。

[仕事][愚痴][日記]後輩を育てることは難しいです

新人には『これから任されるであろう処理の手順をしっかり覚えてほしい』という点は同意できる。しかし、『掘り下げたレベルの理解は求めていない』というのは情けなすぎる。
この言い訳は、自分で中身を説明できないバカの逃げ口上にすぎない


ということを、彼に説明したところ、返ってきた言葉は、
「要はルーチンワークなんですね」
だった。
今にして思えば、彼のフラグは間違いなくこの時、一本折れたと思う。

あたりまえだろ。こんなやつが上司だったら、おれだってふてくされるわ。

つーか、新人に自分の仕事を『ルーチンワーク』といわれて、カチンときてるだけじゃねーの?

彼には作業の大まかな説明をしてメモを取ってもらい、真っ先に覚えてもらいたいものは実際に進めてみてもらうことにした。
その1時間後、



彼はうつらうつらと寝こけそうになった。



無理もない話であることは分かる。
私が研修を受けていた時だって、正直眠気は相当にあった。
朝5時近くに起きて、7時前には出社して業務に入らなければならないのだから。
「すみません…」としょげ返る彼に対し、「まあ初日ですし、この時間帯はきついですから」と責めはしなかった。

そこから4日間、彼の研修を受け持ったが。
彼は毎日のようにうつらうつらと頭を揺らすこととなる。

これは寝る方が悪い。ただ出社時間がかなり早いようなので、慣れるまでは大目に見てあげようという上司は寛大。
ちなみに自分も研修中はよく寝てた。年をとってからはあまり眠くならなくなった。不思議。

ところが、ここで彼のもう一つの悪い癖が出てきた。
メモ取りもそこそこに、「この処理はデータベースに対して云々」「エラーが出た際の対応は云々」と質問を投げかけてくるのである。
先に書いたとおり、そんな所までの理解は今は求めない
ただでさえ処理すべきデータ量が他のシフトよりも多く、一つのミスのせいで翌日の客先の業務が全部止まりかねないのだ。
よって今は「このディレクトリのこの実行ファイルを動かして、出力されるログで処理が正常に終わっていることを確認・記録する」といった手順さえ確実に覚えてもらえれば、それで良いのだ。
そんなルーチンばかりがどんどん回るので、退屈に思えるかもしれないが、それがココの仕事なのだ。
エラーが出た際の対応だって、今の彼にはできっこない――だからこそ研修担当が付いていて、いざという時に対応を受け持つのだ。

この会社の業務を知ってるわけじゃないから、文章から判断するしかないけど、文章を読む限り、『エラーが出た際の対応だって、今の彼にはできっこない』のは、彼がシステムの仕組みを知らないからだよね? だからエラー対応ができるようになるために、彼が質問をするのは当然なんじゃないの?

エラーが起きた時に、それが何のエラーで、なぜエラーが出たのかを理解してないと、エラーの対応なんてできるわけがないし、エラーの中身をわかってない人間にエラー対応なんかしてほしくない。

そして、エラーの中身を知るためにはシステムの仕組みを知る必要があるのに、それを教えることを教育担当の上司が拒否しているという、わけわからん構図。

システムの中身を説明しないくせに、『エラーが出た際の対応だって、今の彼にはできっこない』というのはおかしい。

という説明を彼にしたところ、ひとまずは頷いた。
ルーチンばかりでつまらなく思えるかもしれないが、結果としてそこで確実に業務をこなすことで、顧客が安定したサービスを使えるのならば、それを維持することこそが我々の最大の目的なのだと。
そのためにも、難しい話は後でいいから、まずは業務の手順をマスターできるように、万一手順が分からなくなった時のために、手元に持ち運べるマニュアルを作り上げていってほしいと。
しっかりとした会社なら新人教育用のマニュアルを随時用意・更新しておくのだろうが、あいにくとウチはそこまで時間と工数を割けずにいる。
だから新人が入るたびに、とにかく自分用のマニュアルを作り上げていって、それを元に手順を覚えていってほしいということを徹底している。
それが悪しき慣習となっているというツッコミはご勘弁願いたいorz

ふざけんなバカ上司! 問題の原因はもうわかってるじゃねーか。そっちの対応はせずに、なんで新人をけなしてんの?

新人にメモを取らせるときに、自分も一緒にメモとればいいじゃん。そして、次の新人からは自分がとったメモを渡してやればいいじゃん。

そんなことすらできてない自分のバカさぶりを、『ツッコミはご勘弁願いたい』なんてことでごまかしてんじゃねーよ!

だが、いつまで経っても、どうにも手順がおぼつかない。
Aという業務があって、それを終えるためにa,b,c,dという作業を順にこなす必要がある。
だが、a→b→d→cとなったり、a→b→cで止まったり、時にはa→c→dとなったりした。
都度注意はしているのだが、どうにも改善が見られない。
a→b→dとやってしまって、次の業務Aの機会にはちゃんとa→b→c→dと行うのに、その次の機会にはまた作業が抜け落ちるのだ。
なにぶん、この業務Aはウチの部署の業務でも最重要に入るので、何は無くてもここの作業手順だけは早めにマスターしてもらいたいのだ。

こういう子はいるね。自分も経験ある。最初は教え方が悪いのかなと思ったけど、なんかそういうレベルじゃなくて、理解力が本質的に欠けているような子。

たとえば、大学生でも 1/2 + 1/3 が計算できないやつっているやん? 通分という概念が分からないやつ。あるいは、「X km の距離を Y 時間かけて移動した場合の速度は?」という問題がまったくわからないやつ。これは割り算の概念が理解できてないやつね。

こういう子は、ごく少数ではなく、けっこうな人数存在する。だから、『a,b,c,dという作業を順にこな』せないような新人がいてもまったく驚かない。


でもな、こういう子が別の仕事だと驚くべき能力を発揮したりするから、ほんと人間ってわからない。通分がわかってなくても営業成績はトップクラスだったり、割り算ができなくても客からの信頼が厚いサポート要員だったり。

だから、『a,b,c,dという作業を順にこな』せないような子はその部署ではトラブルの種になるだろうから、とっとと別の部署で別の仕事させたほうがいい。そのほうが会社のためだし、その新人のためだし、なにより新人に悩まされている上司のためになる。

あれから数年が経って、こんな私も新人さんに物を教える立場になった。
リーダーシップなんてものはどちらかと言うとお断りしたい方で、誰かの下でバタバタと動き回った方が性に合っている…
という責任逃れの甘さは、相変わらず持ったままだ。
でもその分、自分がすべきこと、自分に任されたことはきっちりとこなすという自覚と責任は得ているつもりだ。
ルーチンワークばかりの勤務内容だろうが、自分が確実に作業をこなし、次のシフト要員へ引き継ぐことで、会社というシステムの歯車の一つが正確に回る。
それにより客先もサービスを安定して使えるというのなら、それは十分にやりがいのある仕事なのだと思っている。

なんだかなあ。。。

システム関連のルーチンワークなんて、たいがいは自動化できることだよな? それをせずに手作業で頑張って、『自分が確実に作業をこなし』ているという自己満足に浸ってるだけじゃないの? 数年もルーチンワークをしていて気づかないのか?

どんな作業でも自動化できるわけじゃないし、自動化を試みる時間だってとれないかもしれないけど、でも少なくともルーチンワークをこなしているだけのくせに、『自分に任されたことはきっちりとこなすという自覚と責任は得ているつもりだ』なんて書いちゃってるところを見ると、やっぱりこいつバカ上司だ。

まずは自動化しろ。新人を叱るのはそれからだ。


あ、そうか、システムの中身を理解してないから、自動化しようとしてもできないのか。

経緯はさておき、会社としては日々の業務を着実にこなしてさえくれれば、問題は無いのだから。
前の部署では何の役にも立たなかった私が、今の部署でのルーチンをこなしているように。

なんという公務員思考。

ルーチンワークなんて、ロボットやコンピュータで簡単に置き換えられてしまうということに、どうもこの上司は気づいてないようだ。

ロボットやコンピュータではできないような仕事をしてないと、仕事における人間の存在価値なんてないんだよ?

あと、「定常作業なんだから全自動化できるだろうよ?」というツッコミがいくつかありましたので、それについても。
大抵の作業はバッチやタスク処理なので、人間側はその処理の正常/異常を確実に監視すれば良いわけです。
ただ業務内容上、エラーやトラブルが発生した際の対応は、人力でやらなくてはならないのです。
相手先への連絡などはその代表例ですね。

嘘つけ。『相手先への連絡』なんて、まさに自動化できる代表例じゃないか。

またエラー内容の判断は人間がすべきだが、(繰り返すが) そのためにはシステムの中身がわかってないといけない。

『人間側はその処理の正常/異常を確実に監視すれば良い』という部分からはエラー内容を判断してないように思う。

もしそうなら、この監視って何の意味があるのかさっぱりわからない。


あれか、自動化できるのにわざと手作業にすることで客から金をふんだくってるという類いの会社か?
現実の世界では、仕事を効率化するともらえるお金が減ってしまうという事態は珍しくないから、あえてそうしているのかもしれん。

そこら辺まで全部オートでやれれば人件費的にも工数的にも楽ができるのですが、会社としての規模がネックになり、環境作りで全員がデスマーチに陥るのでw
イニシャルコストとかランニングコストとかの話になるのでしょうが、既に回ってしまっているものである以上、難しいのが現状でして(;^ω^)

そういう言い訳をしてる時点で、新人を叱る資格なんかないっつーの。

『イニシャルコストとかランニングコストとかの話』じゃなくて、自動化するだけのスキルを持ってないだけだろ

そりゃ数年もルーチンワークしてるだけで勉強してない人間じゃ、スキルなんて身につくわけねーけどな!


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まあなんだ、今日も世の中はバカばっかりだった。

そして、なんでそういうバカが上司になるのかという長年の疑問は、未だ解明されず。

誰か教えてくんろ。