SSD の風が吹けば Intel が儲かる

話は変わって:

とはいえ、HDDとSSDそのもののアクセス性能を比較した場合は10倍から20倍性能が違うのに対し、実際の業務を想定したOLTP処理性能の比較ではそれが2倍〜3倍程度に収まりそうであるのにはやや肩すかしを食らった感じもします。

HDDをSSDにしたらデータベースはどれだけ速くなるか? オラクルと富士通が実験 - Publickey

これはそんなもんじゃないかなあ。データベースではディスクアクセスがボトルネックとはいえ、性能の 90% を占めているわけじゃないからね。

たとえば処理にかかる時間全体のうち、ディスクアクセスにかかる時間が 60% を占めていたとする。ここで SSD によってディスクアクセスが 10 倍高速化したとすると、全体の処理時間は:

40% + 60% * 1/10 = 46%

もとの処理時間の 46% になる。SSD でディスクアクセスが 10 倍高速化しても、処理全体の時間は約 2 倍速くなっただけ。もし 20 倍高速化したとしても:

40% + 60% * 1/20 = 43%

もとの処理時間の 43% になるだけ。10 倍が 20 倍になっても、全体の性能としてはもとの 3 % しか違わない。

こうしてみると、SSD 導入による効果は「高速化」よりも「HDD というボトルネックがなくなる」ことであり、それはイコール「CPU が速くなれば速くなるほど性能が目に見えて向上する」ということなんだと思う。

SSD を導入
 ↓
HDD というボトルネックがなくなる
 ↓
CPU の高速化がそのままシステムの高速化につながる
 ↓
CPU の費用対効果が高くなる (速い CPU を買う理由ができる)
 ↓
高くても高速な CPU が売れる
 ↓
Intel ウハウハ

そう考えると、IntelSSD を手がけている理由が見えてくる。今までは、単に Intel の製造設備が余っているから SSD 製造に乗り出したんだと思ってたけど、実は高性能な CPU を売るための地道な戦略の一環なのかもしれない。HDD がボトルネックになるから高性能な CPU が売れない … それならそのボトルネックをなくしてしまえばいいじゃない、そうすりゃ高性能な CPU が売れるでしょ?

そこまで考えているなら Intel スゲー。